課題を書き出してみた

前回の記事で「さあ課題を書き出してみよう」と提案しましたので、まずは自分から。まだ整理前の状態でまとまりに欠けますが、ご容赦ください。この記事は随時内容を追加していく予定です。

INDEX

  1. まずは軽く「境遇」紹介
  2. 両親を相次いで見送って心境の変化
  3. 課題を思いつくままに書き出してみた
  4. この作業を通して気付いたこと
  5. 自分見守りプロジェクト始動!

まずは軽く「境遇」紹介

課題書き出しの前にちょっと自己紹介をさせてください。
いや自己紹介ではなく、「境遇紹介」ですね。

何に不安を感じ、何を課題やリスクだと思うかは、その人が置かれた境遇や生活環境、考え方や性格などによって変わってきます。そうした背景がある程度似ていれば不安に感じていることにも共通点があるでしょう。

さっくり箇条書きで。

・54歳独身女性(結婚歴なし・子供おらず)
・独身主義というわけでもなく40代の頃はライトな婚活も(すぐ疲れてギブアップしてそれきり)
・子供時代を過ごしたのは茨城県神栖市(当時は波崎町)と千葉県香取市(当時は小見川町)
・父親は悪性リンパ腫で2021年に、母親は2023年に入院先の病院で他界
・父の闘病中と母が一人暮らしになった後は、二拠点生活をしながらサポート
・母は脚が悪く、父他界後には軽度の認知症となり見守りも必要だった
・親戚は実家近くにはおらず、親戚づきあいもほとんどない(最近、いとこの一人とのメールやり取りが始まった程度)
・現在はUターンして、母がかわいがっていた老猫と実家でふたり暮らし
・実家がある千葉県香取市は、畑や水田が広がる割とのどかな利根川下流の町
・その前は、東京や横浜で一人暮らししながらIT系フリーランスをしていた
・父の発病後、受託仕事など受けなくなり仕事は半減→特にここ数年はほとんど仕事らしい仕事はしておらず
・母他界後はちょっと精神的に不安定な状態だったので、ことさら何もせず過ごしていた
・単発で請ける仕事の打ち合わせはオンラインミーティングが多くなった
・いずれ上京して・・・とも考えつつ、猫が元気なうちは実家暮らしでもいいかなと考え始めている
・実家周辺には友人がほとんどおらず(中高の友人は大半が都市部にでていったまま)
・近所付き合いも隣接する1軒のみ
・地区全体が高齢化して空き家も増えており、また住民も入れ替わっていて面識がそもそもない
・人との交流の主はオンラインで、SNSのFacebook(毎日投稿/基本面識ある人のみ/小学校の友人からサイト運営仲間まで多岐にわたる)
・災害ボランティア団体2つに所属し、不定期に活動に参加
・小型バイクツーリングや車中泊、素掘りトンネル巡りなど基本一人でできることが趣味
・今まで病気らしい病気はほとんどなかったが、2024年5月に後縦靭帯骨化症と診断される→骨化がかなり進んで症状もでていたので、同8月に手術を受けた(術後後遺症あり)
・どちらかというと人との距離は割ととるほう
・一人での自由気ままな生活は性格的にあっていると思う

ここはまた後で加筆修正すると思います。

両親を相次いで見送って心境の変化

ここ数年のライフイベントの中で大きかったのが、両親の介護と見送りです。
今回この「自分見守り」というテーマについて真剣に考えるようになったのも、二拠点生活や半同居状態で親をサポートしながら、加齢で身体機能も認知機能も衰えてきた親を間近で見ていたからです。

父は難治性の悪性リンパ腫で、一進一退を繰り返しながら何度か入院し、自宅で寝たきり状態になったこともありました。母は足が悪く父の介護は難しかったので、トイレ補助なども含め私が主に世話をしていました。

母は慢性腎臓病や糖尿病、あと水頭症や硬膜下血腫など結構いろいろな病気を体験していて、背骨の圧迫骨折などで背中も曲がってしまい、かろうじて家の中をひとりで歩けるといった状態でした。ひとりでの外出も無理だったので、買い物や炊事は、元気だった時には父が担当していました。

父他界後は軽度の認知症も始まり、私は当時住んでいた横浜と千葉県香取市の実家の間をいったりきたりしながら、食事の世話などもしていました。認知症による日時見当識障害、自力では起き上がれなくなる転倒、猛暑日でもエアコンをつけず熱中症になったりなども。

私が不在の時でも母親の安否確認などができるよう、スマートホーム製品を導入して遠隔見守りも行いました。そうした体験をもとに2023年秋には「見守りテック」という本を日経BPからだしています。

両親のそうした姿を見ながら「他人事ではない」と危機感を強めました。自分も加齢とともに一人ではできないことが増えてくるだろうし、身体が弱るだけでなく、判断能力や認知機能も衰えていくのだろうと。父や母はこの世を去る直前まで私が見守ってサポートをしていたけど、独身で兄弟姉妹もいない自分にはそういう存在はいません。

結婚もしなかった自分自身のせいなので仕方ないですし、ある程度覚悟はしていたつもりだったのですが、実際にこの状況になると、「何かあったら本当にやばい」と危機感が募ります。

でも気付けば1人になってから1年が経過し、次第に今の境遇にも慣れてきました。そして自分の人生を前向きにリスタートさせよう、不安に感じていることは早めに解消して、残りの人生後半戦を生き生きと過ごせる環境を整えよう。そう思えるようになりました。

課題を思いつくまま書き出してみた

前置きが長くなりましたが、本題はここからです。
こんな私が今、自分自身の生活や今後について不安に感じていること、課題やリスクだと思っていることを箇条書きでリストアップします。

家の中での突発的な事故で助けが呼べなくなる

転倒やストーブによる一酸化炭素中毒など突発的な事故があり、身動きがとれなくなったり、電話を掛けるのが難しくなった時、外部の人に助けを求めることができなくなり、長時間にわたって苦しい思いをした理、最悪の場合命を落としてしまう。

■例えば・・・

・階段を踏み外して転落、頭を強く打ったり脊椎骨折など重大な怪我をおう
・ストーブやカセットコンロ利用時に換気不良となり一酸化中毒
・電球交換や天袋のものをだそうとして脚立から落下、骨折などの大けがに

■起こりうる事態は・・・

・携帯電話が手元になく、助けを呼べないまま長時間倒れたまま
・最悪の場合、重篤な後遺症が残ったり命を落としたりする
・後遺症で寝たきりの生活に

病気や怪我で一人での外出が困難に

急な病気や慢性疾患の悪化、怪我により長期間外出ができなくなり、日常生活に必要な買い物や用事を済ませることができなくなる。

■例えば・・・

・インフルエンザや新型コロナなどの感染症にかかり、外出自粛を強いられる
・ぎっくり腰や関節炎の悪化で、歩行が困難になる
・めまいや高熱で体調が悪く、運転や外出ができない状態が続く

■起こりうる事態は・・・

・スーパーやコンビニ買い物に行けなくなり、食料や日用品が不足して生活に支障をきたす
・病院に行けなかったり必要な薬を入手できず、健康状態がさらに悪化する
・郵便物や宅配物の受け取りができず、重要な書類や荷物を逃す
・孤立感が強まり、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす

交通事故などで急に入院となり仕事関係の人に連絡もできなくなる

突然の事故や急病で入院となり、意識不明や会話ができないなど意思疎通が難しい状態になったり、パソコンを手元に取り寄せることができないなどの理由で、職場や取引先に連絡が取れなくなる。

■例えば・・・

・交通事故で重傷を負い、緊急入院する
・脳梗塞で倒れて意識不明の状態で病院に搬送される
・旅先で持病悪化して緊急入院となり、パソコンも手元になく必要な連絡ができない状態になってしまう

■起こりうる事態は・・・

・職場や取引先に状況が伝わらず、混乱を招いてしまう
・多大な迷惑をかけ、その後の仕事や契約に重大な支障が出る
・重要な会議や締め切りを逃し、信用を失う
・長期不在により、仕事の継続が困難になる

入院時に連帯保証人や身元引受人を求められる

入院や手術の際に、病院から連帯保証人や身元引受人を求められるが、独身で家族がいないためお願いできる人をすぐ見つけられず困ってしまう。

■例えば・・・

・急な入院で身元保証人が必要になるが、誰にお願いすればいいか困惑する
・大きな手術を控えているが、同意書にサインする家族がいない

■起こりうる事態は・・・

・入院や必要な治療が遅れる/緊急時の医療決定が滞る
・退院後のケアプランの作成や退院先の決定が難しくなる
・病院から高額の入院預託金を求められる

急に入院となった時のペットの世話

予期せぬ入院により、家に残されたペットの世話ができなくなる。

■例えば・・・

・急な手術が必要になり数週間の入院が必要になる
・事故で長期リハビリが必要となり、数ヶ月病院に滞在することに
・感染症で隔離入院となり、外部との接触が制限される

■起こりうる事態は・・・

・ペットのエサ・水やりができなくなり、健康状態が悪化したり命の危険も
・入院しながらペットの世話をしてもらえる人やショップを必死に探す羽目に
・ペットホテルでの預かり費用が膨大な金額に
・長期間、狭いケージに閉じ込められペットがストレスを感じる

身体が弱ってきた後の家や庭の管理

加齢や病気により体力・筋力が低下したり、歩行機能が衰えたりして、家や庭の維持管理が困難になる。

■例えば・・・

・電球交換や高い場所の掃除、天袋からのモノの出し入れなどができなくなる
・重い家具の移動や大掃除が困難になる
・庭の草刈りや植木の手入れができなくなる
・(雪国だと雪かきが厳しくなることも)

■起こりうる事態・・・

・必要な家の中のメンテナンスなどができず不便な生活を強いられる
・修理やメンテナンスが滞って家の劣化が進み、住環境が悪化
・予期せぬ事故や怪我のリスクが高まる
・庭の手入れができなくなり、近隣トラブルの原因となる

認知症になって生活に様々な支障がでる

自分でも気付かないうちに認知症を発症し、進行させてしまい、スケジュールや金銭、居住空間の管理などが難しくなり、周囲の人とのコミュニケーションにも支障が出てしまう。

■例えば・・・

・生活費や財産の管理ができなくなったり、判断能力が落ちる
・料理中にガスの消し忘れが頻発する
・服薬管理ができなくなったり、通院ができなくなる
・被害妄想に陥りやすくなったり、約束のすっぽかしなどが増える

■起こりうる事態は・・・

・経済面で困窮状態に陥ったり、詐欺被害にあいやすくなる
・火災や水漏れなどで、住まいを失ったり住環境が悪化したりする
・健康状態が悪化する
・人間関係が壊れたり、近隣トラブルが増えたり、友人の信頼を失う

人との交流が先細りして引きこもりがちに

■例えば・・・

・田舎での生活を始め、周囲に友人・知人などがいない(発生済)
・身体の衰えで家からでるのが億劫になり、外出機会が減っていく
・親しかった同世代友人達も徐々に年をとって会う機会がなくなる

■起こりうる事態は・・・

・引きこもり、他人とのコミュニケーションも減ることが認知症の発症要因に
・孤独感を抱くようになり、精神的に追い詰められる
・依存症になり、身体面・精神面での悪影響がでる

病気や事故で急に命を落とした時の事後処理

突然の死亡により、葬儀の手配、自分の住居や所有物の片付け・処理、財産の処分などが適切に行われない。あるいは親戚や身近な人、賃貸物件のオーナーなどに迷惑をかけてしまう。

■例えば・・・

・急性心筋梗塞により突然死する
・旅行先で事故に遭い、命を落とす
・持病の悪化により、予期せぬ急死をする

■起こりうる事態は・・・

・遺体の発見が遅れ、賃貸物件のオーナーや近隣に迷惑をかける
・葬儀や埋葬の手配が滞ってしまい、付き合いのない親戚に手間をかけることに
・財産や借金の処理が適切に行われず、親戚間などでのトラブルの原因となる
・大切な思い出の品や個人情報が適切に処理されなくなる
・ペットが取り残され、その後の世話や引き取り手の問題が生じる

この作業を通して気付いたこと

「もし今重度のぎっくり腰になって、トイレに行くのすら辛い状況になったら、どんな問題が発生するのだろう」

あまり好ましくない“仮説”をたて、どんな困ったことが起こるかいろいろ考えてみるという作業をしてみました。まだごく一部でしかないので、この作業はこれからも続ける予定ですが、現時点でいくつか気付いたことがあります。

1.今の自分はあまりに準備不足

いろいろな想定の中で最悪の事態は「自分が急死してしまう」でしょう。その場合、病院関係者など私の死に立ち会うことになった人はまず私の親戚にコンタクトをしようとすると思いますが、そんな情報、自分の手帳を開いたってスマホの連絡先一覧を見たって、どこにもありません。まずそこで困るでしょう。

そして私はまだお墓の手配もしておらず、どうしてほしいのかという意思を何かに書き留めるということもしていないので、いとこも困惑するでしょう。

そういうことは、事前に私がちゃんと準備をしておいて、身近な人何人かに伝えておく必要があるわけです。ノート一冊を作って、それがどこにあるかを、手帳の目立つ場所に書いておくというのもいいかもしれません。

2.課題を具体化すれば対策できることも

これまで自分は「一人暮らしの家の中で何かあったら誰にも気付いてもらえず、最悪死んでも発見してもらえず大変なことになる」と漠然と不安を感じていました。でもじゃあ、「何かあったら」の「何か」ってなんだろうと考え始め、書き出してみると、いろいろやれることはあるなと思いました。

例えば「天袋にしまってあるものを出そうと脚立に登って落ちる」なんていうのは、もう天袋は使わないことにすればいいわけですし、脚立もより安定して使えるものを買えばいい。動けなくなった時、音声だけで電話をかけることもできます。母のためにスマートスピーカーでそれができるよう設定していましたが、自分のためにはまだ未設定でした。

やれることいろいろありそうです。

3.今後の人生を考える機会に

自分見守りについて考え始めると、不思議なものです。当初は単に「もし家の中で倒れたら」「交通事故で急に入院することになったら」など具体的な心配事から始まるのですが、次第にもう少し広いテーマへと思考が移っていくのです。

「自分はこの後、どこでどんな風に生活をしたいんだろう」「もし認知症になるとしたら何年後くらいなんだろう。その前に自分は何をしたいだろう」といった具合です。

正直、人生後半戦について真正面から向き合うことには抵抗もあります。そこには「老い」という重たい現実がありますし、自身の「病気」や「死」の可能性と向き合うのは憂鬱なものです。だから、つい先送りにして「まだ大丈夫」「考えるのは早すぎる」と、自分に言い聞かせてしまう。でも、こうして「自分見守り」という切り口から、少しずつ自分の残りの人生と向き合う機会を持つのは、実はとても大切なことかもしれません。

暗い現実だけではなく、前向きな取り組みにフォーカスを当てていくことも忘れてはいけません。

自分に何かあった時、手を貸してくれる人や、後を託す人の負担をなるべく減らし極力迷惑をかけないようにしようと思うと、身辺の整理が不可欠になってきます。結果としてシンプルライフに向かっていく可能性もあるでしょう。大量のモノややらなくてはいけないことを抱えまくった生活を改め、断捨離ですっきりしたライフスタイルを手に入れられれば、人生後半戦はより身軽かつ快適に暮らせるかもしれません。

「健康を維持して、体力・筋力をアップさせることが何よりの対策」と、筋トレを始めるモチベーションが生まれる可能性もあります。「年を取ってから認知症にならないように今からできることを」と、新しい趣味に挑戦するかもしれません。

自分見守りプロジェクト始動!

私自身の「自分見守りプロジェクト」は始動しました!
まだ課題やリスクも整理しきれていませんが、プロジェクトに取り組む過程で新しい気付きもあると思うので、必要に応じてこの記事も随時アップデートしていきます。

そして数か月かけ、ひとつひとつの課題やリスクをきっちりと検証して対策を考え、「自分見守り」の最適な体制を築き上げていく予定です。

同じような境遇で「自分見守り」が必要だと感じた方がいれば、ぜひいい機会です。一緒に始めましょう。そのうちどこかSNSなどで、仲間と情報交換ができる場も作りたいと思っています。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です